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どんなときでも「愛して食べて歌って笑って」しまおう!独断と偏見によるオススメを毎日更新して行く…予定だったけど挫折中。
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昨日の新米ママは大丈夫だったのかしらー。
金は出せないにしても、
ささいなことででも、もう少し助けられたら良かったのかしらー。


といろいろ昨日ブログを書いていたら、
ベトナムで出会ったKimという少年のことを思い出しました。
(大学3年の就活真っ只中で会社説明会が佳境の時期に、
 僕はホーチミンに2週間滞在していました)




彼は当時10歳。彼は物売りでした。



彼の話をするには、まずベトナムの物売り事情を話す必要があります。



僕が滞在していたバックパッカーの多いBui Vien通りは
日本でいう新宿歌舞伎町みたいなところ。
1泊5ドル、アリがはうベッドで寝ていました。
そこには当時ざっと30名ぐらいの物売りの子供たちがひしめいていました。



よーく見ると、


彼らは毎日同じ服を着ています。
大体15時~26時くらいで働いています。
男の子はガム、女の子は造花、
みーんな全く同じ商品を持っています。
観光客に「買ってよー、買ってよー」とからみますが、
彼らは次の区画までは言い寄ってきません。
帰りは20代男性が運転するバイクの後ろにのって
「バイバーイ★」と言って帰っていきます。






なんか変だと思いませんか?

彼らはいつ寝ているのか?
なぜみんな同じ商品を持っているのか?
なぜ担当エリアが決まっているのか?
毎日同じ服なのになぜバイクにのれるのか?




これらが、どういうことか。











彼らはマフィアに飼われているんだそうです。






まずマフィアは「街でいい仕事があるから」と言って
地方に住む親御さんを説得します。
地方は基本的に貧しいので、親御さんは子供を喜んで街に出稼ぎに行かせます。
そして、街まで連れて来られた子供たちは物売りをします。
ガムや造花はマフィアが市場でまとめて買ってきます。
それを売って稼いだお金はマフィアの懐に入ります。
物売り以外の時間はみんなで孤児院で寝ています。

親御さんは、自分の子供が
仕事もキッチリやって、学校にもキッチリ行っていると思っています。
親御さんは、立派に育った自分の子供ともう一度会えると思っています。


ODAの資金の7割が賄賂に使われているなんて話もありますが、
「買ってあげないとかわいそうだから」と良かれと思ってやっていることが
実はそうでない方向に進んでいることはあまり知られていません。

この状況の良し悪しを問うつもりはありませんが、
「マフィアに飼われている」のは物売りの子供たちの現実です。



ただ、本人たちは現実を悲観していません。
よーく見てるとおもしろいんですが、
彼らは学校に行っていないけれど、街が学校の縮図のように見えます。

売らなきゃいけないのに観光客と戯れている悪ガキ、
最初は一緒に遊んでいたけれど、いい加減仕事に戻ろうよと促す友達、
悪ガキたちをうらやましそうに横目で見ている同級生、
痺れを聞かせて「いい加減仕事しなさいよ!」と注意する委員長。

ほほえましい光景ですが、一つ残念なことは、
教育者がそこにはいないことですけど。



お待たせしました。
さっきの「悪ガキ」がKimです。

一向にお金がもらえないにも関わらず、僕らと遊んでいました。
終いには見張りのマフィアに頭を小突かれて泣いたりしていました。
でも懲りずに、また遊びにやってきます。


彼と出会って9日目のことでした。
「これあげるよ」と手を差し出してきました。
手の中には、ブーメラン型のオーストラリアの
キーホルダーとポケモンのおもちゃ。
観光客にもらった大切にしていたものだそうです。
どうやら僕はKimに気に入られたようでした。



でも彼とは次の日から言葉を交わしませんでした。


ちょうどプレゼントをもらった日の夜。
子供たちに自分が撮った写真を見せていると、
いつの間にかポケットの中のライターがなくなっていました。
問いただしましたが、10人くらい集まっていたのもあり
犯人は結局分かりませんでした。
ライターくらい別にいいじゃんと思うでしょうが、
ポケットをまさぐって盗んで行方をくらますという事実がショックでした。
気が立ってしまい、それから物売りの子たちの相手をしなくなりました。
Kimもしばらくすると顔を見せなくなりました。


彼とはそれっきりです。




物売りの子供の多くが、そのままマフィアや売春婦になると言います。
マフィアが良い悪いとかの話とは関係ないんですが、
そんな環境の中で、擦れてしまうことが多いのではないでしょうか?
Kimは自分らしさを保っていられるのでしょうか?

そういえば、Kimからプレゼントをもらいっぱなしでした。
モノにせよコトにせよ、大したお返しは何もしないまま、
自分では大したことないと思った「無視」という行動が
もしかしたらKimが擦れるきっかけになるのかもしれない
と後になって後悔しました。


それがずっと心残りで、
キーホルダーは未だに捨てれず、ずっとカバンにつけています。
彼は元気でやっているのでしょうか。

▼追記▼

ということで、
最近余計な一言が多かったり、
伝えなくても良いコトだったり、
やるかやらないかで結局やらなかったり、
ささいな意思決定がなんだか周りに影響を強く与えていそうだ
と思うときが最近よくある。

とはいえ、人の目ばかり気にしてビクビクしてもいられないので、
よーく考えつつ全身全霊をもって取り組むに尽きるしかないっ!
…と思うのであった。

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無題
うn。深い。
りさ 2010/04/22(Thu)08:44:04 編集
無題
ベトナムのその事情は知らなんだなぁ。
てか、ライターは盗られたの?
紛失したのではなく?

ひょっとしたら…
そのライターを盗った少年は
チョット幸せな気分になっているかもしれない。
ケンケンにとって「たかが」でも
その子にとっては大きな「収穫」。
そう考えれば、持つ者から持たざる者へのプレゼント。
(もちろん盗ることは良くないけど)
物事の捉え方次第じゃねーかな。
ハギ 2010/04/23(Fri)17:49:04 編集
レス
この話って深いでしょー。

ちなみにボクはそのときライターぐらいいいじゃんと思いましたが、
同行していた人が「彼らには善悪の基準がない。善悪の基準を教えるのは当事者の役割だ」
と助言されたので犯人探しにこだわりました。
しかし、その場で少年の名前まで特定できたものの、一向に名乗り出ないので誰だか分かりません。
子供たちに連れてこいと指示しましたが、彼らにそんな力も義務も義理もありません。
親も親代わりもいないので、無理矢理引きずり出してもらうこともできません。
名前が分かってもしょっぴけないということは、
子供たちがそれ位管理されていないというこでもありますね。

幸せな気持ちにはなってほしくないですね。
彼らには寝るところも食べるものもあり、生活が苦しいわけではないんです。
一方で、僕たちは盗みは悪いことだと教えられていますが、
彼らに盗みが悪いことだと教える人間は誰もいません。
モラルやマナーを教える人間がいれば、
みんなギャングや売春婦にならずに済むのかもしれないですね。
ケンケン 2010/05/09(Sun)11:18:03 編集
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